libertas-プロローグ-
-libertas-
--ヒトは、望むままに自由でなければならない。--
Arvel, inc. 社是 第4項 2章
ある少年-ユズル-にとって、4人の`彼女たち`との生活は、自由であり不自由だった。
4人と会うとき、学校が邪魔をする。
4人と寝るとき、両親が邪魔をする。
5人で遊ぶとき、時間が邪魔をする。
`彼ら`にとって、この世界、この生活は不自由であった。
そんな時、とある神が微笑んだ。
『ヒトは、望むままに自由でなければならない。
ヒトは、その権利を持ちながらも、人がそれを阻害させる。
君たちが望むならば、ヒトとして自由に生きられる舞台を捧げよう。
望め。`我が子`よ。』
彼と彼女たちに突然舞い降りた祝福の声
そして望んだ。
5人で一緒にいられる世界
5人で自由に暮らせる世界
5人だけで生きられる世界
『聞き入れた。`我が子`よ。
明日より、君たちだけの街を手に入れる。
さあ、`我が子`よ。
舞台は用意した。後は自由だ。』
目が覚めた5人
この街は、`僕ら`だけの自由の街
この世界は僕らだけ。
僕と、4人の彼女たちは歓喜した。
まさに夢の世界、夢の生活、現実がすでに天国である。
最初の数日は、街を歩き回り、探検した。
おしゃれな服屋さんでみんな服を手に入れて、制服から着替えた。
この街はある程度、僕らにとって都合がいい。
どれだけ歩いても走っても疲れない。
電気もついているし、食べ物も沢山ある。
というか、特にお腹は空かないが、何かを食べると、食べるという欲は満たされる。
朝と夜がきて、雨も降るから時間という概念はある。
過去に僕らを縛った「学校」は僕らを邪魔しない。
他に人もいないから、もちろん「両親」も邪魔をしない。
そして、邪魔をしていた「時間」は、僕らを邪魔をしなくなった。
ここは僕らだけの自由な世界...
コンビニに座り込んでお菓子を食べても怒られない。
朝までゲームセンターで遊んでいても追い出されない。
路上に布団を敷いてみんなで眠っても誰も起こさない。
すべて自由な世界だ...!
1か月ほど、街で遊び歩いているとき、小さな公園を見つけて
僕は思い付きを言った。
「家を決めてみないかな。家がないのも自由だけど、みんなで暮らせる家が欲しい。」
4人は喜んで賛成した。
そして僕は公園を指出してこういった。
「公園に家を作ろう!僕らだけの家を!」
「公園に...楽しそう!」
「うん!作ろう!」
「ベッドもあって、あとソファもテレビもあって!」
「大好きなみんなと、眠れる家...!」
こうして僕らの家が決まり、僕らの生活に`形`ができた瞬間であった。
家を作るのは簡単だった。
DIYも簡単で、どれだけ重い木材でも自由に運べて、どんな形でも組み立てられる。
公園の隅の空間を使って、木材を組み立て
窓を付けて、入り口はカーテンにして
中は柔らかいマットを敷いた。
近くの家具屋さんや電気屋さんで必要なものを運び
家具もそろえた
ソファにテレビ、机と冷蔵庫
家ができるまで、さほど時間がかからなかった。
「ここが...私たちのおうち...」
「すごい...すごい!!」
「ふかふかだ!楽しい!」
「ちょっと狭いけど、それがいいね!」
「あぁ...みんな、とても楽しいね!」
嬉しい、楽しい、幸せ、自由
僕らの望みを形にすると、こんなに幸せになるとは思わなかった。
これも、神様のおかげだ。
こうして僕らは、家を作り上げた。
食べ物を冷蔵庫に入れたりして、食べ物も自由になり
僕らは家でゲームをしたり、おしゃべりして過ごした。
そんなある日、ユキが言った。
「あのね、思ったの。服も決めてみたいなって...!」
「服?」
「うん!せっかく自由だし...それに...」
ユキは僕をちらっとみて
「せっかく、大好きなユズル君と一緒なんだから...いつもと違う格好というか...」
「違う格好...あ、なるほど!」
ハルが何かに気が付き、手をポンっとたたいて、笑顔になる。
「3人とも、耳貸して!」
ハルの声に、ユキとカスミとマイがハルのもとに集まり、何やら小声で話す。
「なるほど...いいかも!」
「うん!やろ!」
「決まり!」
「な、なになに?」
「えへへ~内緒!」
「ユズル君!ちょっとまっててね!」
4人はそういい、家を後にした。
しばらくして、
とてもかわいい水着姿で戻ってきた4人を見て僕は驚いた。
「な、なにを...?」
「えへへ、可愛い?」
「こういうのも...いいかなって」
「せっかくだし...ちょっと、えっちな格好というか...」
「ユズル君は、これ!」
渡されたのは、男物の水着
みんなの色と合っている。
「着替えて!みんなお揃い!」
「お揃い...なるほど...楽しいね!わかった!」
服を脱ぎ、その水着を着た。
外で肌をここまで出すのは少し恥ずかしいが...
4人の姿を見て、僕は心が躍った。
水着姿の4人の女の子と暮らす日々...
それを想像して、僕は幸福を感じた。
「ユズル君も似合ってる!」
「ねぇ!写真撮ろ!」
「写真?」
「うん!カメラ持ってきたんだ!」
「これからの、私たちの人生を祝って!」
「いいね!よし!撮ろう!」
僕らはソファに座り、写真を撮ることにした。
「ユキ!もうちょっとユズル君にくっついて!」
「こ、こうかな?」
「おぉ...」
ユキの肌がダイレクトに触れる。
少しふくらみのある胸の感触に神経が集中する。
「いい感じ...よし!」
カメラを調整していたハルが戻り位置につく。
「にっこりわらってね!」
「うん!すごく楽しい気持ち...!」
「くっつくの楽しいね...!」
「えへへ、触れるの気持ちいい...」
「あぁみんな....」
「みんな、幸せだ!」
プロローグ 完